コンクリート
貼り付け
外壁のブロック塀に使われる、いわゆるコンクリートブロックと比べて凹凸が少ないコンクリートに貼りました。塗装はされておらずスベスベした感触で、爪で触ると黒板を爪で引っ掻いたような嫌な感触が手に残ります。
転写シートの上から圧着して転写シートを剥がそうとしましたが、最初の「Q」の文字がコンクリートに貼り付かずに転写シートに付いたままです(写真4枚目)。拡大するとコンクリートのカスが付着しているのがわかります(写真5枚目)。このカスは施工面から剥がれ落ちていますので、カッティングシートの粘着性の有効面積を奪ってしまいます。「Q」はコンクリート面に押し当てるようにして貼りました。
転写シートを剥がしていくとコンクリート側に貼り付く部分と転写シートに残る部分があり、しっかりコンクリートに貼り付いていない印象を受けました。
剥がす
圧着しても転写シートに残る文字があったため、あまり接着には期待ができませんでしたは、写真7枚目のように爪で引っ掻くとしっかりとくっついている手応えがありました。写真8枚目(最後)はコンクリートのカスがついているものの、文字全体が浮き上がるわけでも無く、引っ掻いた部分のみが剥がれており、しっかりと貼り付いていると判断していい状態でした。
湿気の影響
無塗装のコンクリートですので、気になっていたのは塗装がされていないためにコンクリートが含んだ水分が内側からカッティングシートを押した場合にどうなるのかということです。そこでコンクリートを水で濡らしました。1日経過したのが以下の写真です。

水をかけて1日経過し水染みは消え、見た目に変化はありません。前日「K」を引っ掻いたように、他の文字を爪で引っ掻いて貼り付き具合を確認しましたが、昨日と変わらずしっかり貼り付いています。これは予想外でした。
留意しないといけないのは写真の状態で置いていたため、コンクリートに染み込んだ水分はそのまま真下に沈んでいってカッティングシートの粘着には影響を与えなかった可能性も考えられることです。仮に立て掛けて置いていれば、違った影響が出るようにも思います。また1度だけしか試していませんので、長期間同じ状況が繰り返された際にどういう結果になるかは不明です。
評価
しっかりと貼り付く施工面ですが、長期的な使用を考えると使用環境は検討した方が良いでしょう。カスが付着する素材ですのでベストな施工面であるとは言えませんが、使用環境に注意すれば問題なく貼り付けられるだろうと思います。
また繰り返しになりますが、塗装されていないコンクリートの場合は水分を含んでしまいますので、屋外や湿度の高い環境で長期間使用した際にコンクリートの内側からの水分がカッティングシートにどのように影響を与えるかは未知数です。その点は御理解の上でご利用ください。
これらの問題を解決する方法はコンクリートの塗装、またはカッティングシートをマスキング用途で使用して、コンクリート自体を塗装することだと思います(塗装に関しては専門外ですので断言はできません)。コンクリートをしっかり塗装してツルッとしたコーディングをしてしまえば、コンクリートではなくコーティングが施工面になるため、内側からの水分の影響はほぼ無くなりコンクリートのカスも出だろうと考えられます。