紙(扇子・ジャバラ)
紙の扇子にカッティングシートが貼れるか確認しました。紙であることと、ジャバラ状になった凹凸にカッティングシートが貼り付くかがポイントです。現物を見る限り和紙のように見えますが、商品パッケージには「紙」としか書かれていないため、「紙」で統一します。
貼り付け
まずカッティングシートの貼り付けにあたって、扇子を開いた時の段差をマスキングテープを貼って和らげました(他にいい方法が思い浮かばず…)。写真2枚目でマスキングテープを貼っている所と貼っていない所で段差のでき方が違うことがわかります。
竹の部分にマスキングテープを貼るだけでは、扇部分の段差がまだ解消されなかったため、扇子の紙の部分にもマスキングテープを貼りました。まだ段差はありますが、これ以上、段差を無くすのは難しそうですのでこの状態で貼り付けます(写真1枚目)。
思いの外ジャバラを伸ばした時の元に戻ろうとする力が施工に邪魔で、スキージーが上手く使えないと思い指で擦って圧着しました(写真3枚目)。
圧着後は転写シートを剥がしましたが、扇子の紙が破れることなく剥がすことができました。
転写シートを剥がせば通常は完了ですが、今回は固定用のマスキングテープを剥がさねばなりません。しかし紙に貼ったマスキングテープを剥がす際、紙の表面が少し破れてしまいました。この点は紙ではない素材を使用した扇子であれば回避できると思います。もしくはマスキングテープの代わりに重しを使用するなどでしょうか。
扇子の開閉
扇子を折りたたんで開閉しました。写真2枚目の中央でカッティングシートが少し飛び出ているのがわかるでしょうか。面積が小さすぎてカッティングシートを完全に折り曲げることが難しく残ってしまった部分です。
写真3枚目は広げた状態ですが、ジャバラの山と谷にしっかり沿って貼り付けることができていないことがわかります。以下、図解です。

- 両側に十分な面積で貼り付いており、しっかり折り目を付けた例
- 山や谷の部分に掛かっておらず面だけに貼り付いているため、この中では1番剥がれづらい
- 1と同じ条件だがカッティングシートの折りが足りず剥がれてしまった例
- 右側の面積が小さく、折り目をつけても物理的に貼り付く面積が小さく剥がれてしまう
- 谷側に完全に沿えずに少し浮いた状態で貼り付けてしまった例
当記事で貼り付けた「QUACK WORKS」のロゴは比較的シンプルな形状ですが、事前にジャバラの凹凸に合わせて文字間を調整していませんので、どの文字のどの部分が山・谷に貼られるかはわかりませんでした。強く折り目を付けたとしても、ジャバラである前に施工面は紙であり、ガラスのように硬い面ではありませんのでカッティングシートを貼るには条件が悪いです。
上図の1番のように爪でかなり強く折り目をつけると貼り付きますが、ガラスに貼り付いているのとは異なり食いつきが感じられず、時間を置けば剥がれてしまう感触がありました。上図の中で1番剥がれづらいのは2番ですが、これを実現するにはデザインをジャバラに合わせる必要があり、ロゴの文字間も形状も変わってしまいますので現実的ではありません。扇子はサーフェスとしての凹凸ではなく、山と谷があるジャバラであることがカッティングシートを貼ってしっかり貼り付けるのに大きな障壁となります。
剥がす
ジャバラの山と谷に対応し切れないことから、カッティングシートが不向きであることは明白ですが、念の為剥がして食いつきの評価も行います。紙素材ですので、貼り付いている部分はしっかり貼り付いていました。しかし前述の図解のように多少の浮きが見られる箇所では比較的簡単に剥がれやすかったです。
また一度は剥がすと粘着面に紙が付着してしまうため、それをもう一度圧着しても紙(=不純物)が邪魔してかなり接着が弱くなりました。
4日後

最初に撮影したのが2025/07/04、その4日後、2025/07/08にふと見ると浮いて剥がれていました。撮影後に何度か扇子の開閉はしましたが、それ以外は特に日常的に使用せず会社に置いていましたので、ほぼ自然に浮き上がったと考えて差し支えないでしょう。
評価
カッティングシートを貼るのには向いていない施工面です。本文中にも述べましたが、ジャバラの山と谷があることで、カッティングシートを折る必要があり、しかも施工面は紙ですので表面が脆く食いつきが弱いためです。