製作可能最小サイズ0.5mmの判定基準
実際のデザインデータを確認し、「物理的に作成が可能かどうか」と、「製品としての品質を保持できるかどうか」を総合的に判断しています。可能な限りご希望どおりに製作できるよう努めていますが、デザインによっては物理的に作成を承れない場合もありますこと予めご了承ください。
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シートとして残す0.5mm
原則、弊社製作可能最小サイズの0.5mm角以下の部分があるデザインは、製作を承ることができません。

上図で「A」を構成している濃い灰色の線がシートとして残す場合を例に説明します。赤丸が製作可能最小サイズの0.5mmです。「A」に赤丸をあてがってみると0.5mmより小さいことがわかります。これでは非常に細かいためカットが難しく、本来の粘着力も発揮できないため製作を承ることはできません。
太さが均一でない場合

別のフォントに変更した例です。
このフォントの場合、線の太さが一定ではありません。赤丸が収まっている箇所もありますが、赤丸より小さい箇所が多々ありますので製作できません。そのためデザイン全体で一番小さい部分でサイズの確認をするようにしてください。
繋がっている部分が極僅かな場合

上図のように漢字で良く見られるのが、極僅かに繋がっている部分があるデザインです(赤丸の部分)。この様なデザインの場合は文字がかなり小さいため、繋がっていても繋がっていなくてもどちらでも印象が変わらないものと弊社側で判断し、製作可能してデータチェックを通過させる事があります。
もし絶対に繋がっていなければならない場合は、0.5mm以上で繋がっているデザインをご用意ください。
シートとして残さない0.5mm
上図ではシートとして残す濃い灰色の線と、シートとして残さない「抜き」の部分に赤丸が置かれています。シートとして残す部分は赤丸が収まっているため、サイズはクリアしていますが、「抜き」の部分は0.5mm以下になっています。「抜き」の部分も0.5mm以下になるとくり抜く事がうまくできない事がありますので製作できません。上図の2文字は横1.4 × 縦0.7cmと非常に小さいサイズです。
テストで実際にカットしてみると、なんとか該当箇所をくり抜く事はできていますが、抜き部分の形が安定せず揺れています。全体的にも角ばっているはずの部分が丸みを帯びており、元データを完全に再現できているとは言いづらいです。
背景と繋がっている場合

上図の様な「三」の「3本の横棒の隙間」は0.5mm以下でも製作ができます。 これは「横棒の隙間」を「くり抜き」ではなく、不要な背景部分と一緒に繋げて剥がし取ることができるためです。ただし、隙間が0.1mmなどあまりにも細い場合は、機械でのカット自体が難しいため製作できない場合もあります。
先細り箇所の0.5mm

先端が先細りの形状をしている三角形などの場合は、該当箇所が先細りを始めた場所を始点とし、中央が0.5mm以上あればおおよそ製作ができます。上図では下側の濃い灰色の三角形であれば製作可能です。
しかし上図よりもさらに細長い三角形や先細りの場合は、カットしても粘着力がしっかりと残らないと判断され、製作ができないとする事もあります。この点についての判断基準は「デザインによる」とさせていただきます。
明朝体などにあるセリフ

上図の赤丸が付いている部分を「セリフ」といいます。フォントの明朝体などで見られる形状です。

このセリフに対しても先程、三角形で説明したように、中央地点が0.5mm以上であるかを基準に確認しています。
ウロコの0.5mm
同じデザインで3つの異なるサイズで比較して紹介します。それぞれの画像で赤丸がついている飛び出た部分を「ウロコ」と言います。このウロコは太いフォントであっても小さい事が多く、いつも0.5mmチェックの要チェックポイントです。フォントによりますが基本的にウロコが0.5mm未満であっても製作は可能と判定します。
以下の写真で映り込んでいるのは0.5mmのシャーペンです。
1番:普通のサイズ
今回作成した3サイズの中で1番大きいサイズで2文字で横5.0 × 縦2.5cmです。根本の部分が0.5mmを超えているサイズ感で、カット後のウロコの形状も元データを再現できています。
2番:小さいサイズ
2番目は3つの中で中間のサイズで2文字で横3.3 × 縦1.6cmと小さいです。このサイズでも製作可能とするのは、細くなっている部分が短いため、先細った糸くずやトゲのようにはならないためです。先細りしているのではなく、凹凸だと判定しているためです。ただ元データの形状を比較的再現できていますが、1番のサイズに比べると安定した再現性は低下します。
3番:極小サイズ
3つの中で一番小さいサイズで2文字で横1.4 × 縦0.7cmと極小です。2番のサイズよりも形状の再現はできていません。2番で「先細りしているのではなく、凹凸だと判定しているため」と書きましたが、2番と3番を見比べると、先細りした形状ではなく凹凸に見えると思います。サイズが小さくなるのと同時にカット精度も甘くなるためです。このサイズでもウロコのニュアンスは維持できるというのが製作可能としている理由です。
上図3つのフォントは「小塚ゴシック Pr6N B」を使用しています。サイズ感を参考にしてください。他のフォントやデザインが、どの時点から製作可能になるのかは全体のデザインの細かさを見て、どの程度の再現度が必要かという観点で判断しているため、判断基準を明示できませんことご了承ください。見積りを作成する前に必ずデータチェックを行いますので、お気軽に発注いただければと思います。
まとめと注意点
- 製作するには0.5mm以上だが例外もあり、カットした製品が粘着力、形状の再現に問題がなく、製品として成り立つかを基準にしている
- 0.5mm以上であってもカット精度は大きいサイズと比較すると甘くなる
- ウロコは0.5mm以下でも製作可能