牛革
シュリンクレザー(独特のシボを出した加工)の牛本革にカッティングシートが貼れるか確認しました。
貼り付け
本来は革に貼り付いて転写シートだけが剥がれるのですが、圧着しても全ての文字が転写シートにカッティングシートが残ってしまいました(写真3枚目)。この時点で施行には向いていないと判断できますが、経過観察するため一文字ずつ指で押さえながら確保してなんとか貼り付けました。
剥がす
「K」の左角を爪で引っ掻いて剥がして食いついて貼り付いているかを確認しました。一旦左角が浮く(剥がれる)と、引っ掻いていない部分もつられてペロリと剥がれました。 しっかり貼り付いている場合は、引っ掻いた部分以外は貼り付いたままになりますが、写真2枚目で「K」の縦棒上部が緩く剥がれているのがわかるでしょうか。
16日後
2025/06/11に貼り付けて剥がし、放置していました。保管していたのではなく、暫く適当な感じに置いていたためフラットな状態ではなく多少革が曲がった状態でした(酷くテンションが掛かっている状態ではない)。これが影響したのかは定かではありませんが、2週間以上経過した2025/06/27に確認すると、ロゴ全体的がアウトラインから浮いて剥がれてきていました。粘着面を確認しても浮いた箇所に埃が入ってしまった、ということもなさそうです。浮いてしまっている部分を再度貼り付くように指で押してみましたが、やはり緩く、革に食いついているように見えませんでした。以下の図を御覧ください。

顕微鏡で観察したわけではありませんが、恐らくシボの凹凸が大きくしっかりと定着しづらい表面なのだと思います。また革自体が粘着質を寄せ付けないようなサラサラとした手触りも感じられます。これは恐らく仕上げ剤によるコーティングだと思われます。
評価
カッティングシートの貼り付けに全く向かない施工面です。恐らく仕上げ剤によるコーティングで粘着質自体が弾かれるような質感で、この革の質感を保ったまま(つまりコーティングを剥がす)貼り付けるのは不可能でしょう。コーティングは入手する革によって異なるでしょうが、カッティングシートの大敵である凹凸もなくコーティングもない革素材というのはあまり無いように思います。