【31製品検証】カッティングシートを剥がせる最強のシール剥がしを徹底比較
カッティングシートを剥がすのに最適なシール剥がしはどれかを比較検証しました。カッティングシートに塗布して効果のある強力な商品やカッティングシートを手で剥がしてからの糊残りなら除去できる商品など、結果は様々でした。
当記事は商品比較、剥がし方のページで紹介している方法の根拠であり、具体的な剥がし方の紹介記事ではありません。作業方法は剥がし方のページを御覧ください。
お急ぎの方向け:オススメ商品
お急ぎの方向けに最初に答えを書いておきます。カッティングシートを剥がすのに最適な方法と商品は以下です。必ず貼り付け面に塗布しても問題がないか各製品の説明書を確認してから購入してください。
- カッティングシートのパーツ数が少ない: ロゴなどのパーツの数が少ないデザインです。シール剥がしを使わず手で剥がした後、シールのベタベタ消しゴムで糊残りを除去するのがオススメです
- カッティングシートのパーツ数が多い: 文章や価格表のようにパーツが多いデザインには、フィルムはがしらくらく スプレーがオススメです
実験条件
- ガラス板に貼られたカッティングシートにシール剥がしを塗布する
- 商品説明に書かれている時間待ち浸透させる
- スクレイパーを用いて剥がす
- ティッシュで拭き取る
ガラスに貼られたカッティングシートを、如何に楽に剥がすかをテーマに実験を行いました。製品はAmazon・100円ショップなど身近に手入手できるものを片っ端から購入しました。
『QUACK WORKS』のロゴを貼った10 x 10cm厚み5mmのガラス板に対し、シール剥がしを塗布して効果を調べました。ガラス板に貼付け後、カッティングシートの糊が安定するよう、72時間以上経過してから実験を行います(2026年4月下旬)。 カッティングシートの素材は651標準シート098ジェンティアンを使用。アルコールでガラスを拭いてから、カッティングシートを貼り付けました。
シール剥がしは、商品説明に記載されている放置時間とし、「1~2分放置」といった指定の場合は長い時間を採用。時間が明記されていない製品は3分としました。3分にした理由は指定時間が示された製品は3分前後が多かったためです。時間経過後、カーボン製のスクレイパー(ヘラのようなもの)を用いてカッティングシートを剥がします。
『ステッカーを剥がした後の”糊残り”に対して使用する』旨が書かれている商品説明もありましたが、「楽に剥がす方法」がテーマのため、全ての商品をカッティングシートが貼られた状態で実験を行いました。そのため本来の使用方法ではないものも含まれますので予めご了承ください。
評価方法
- クラスS:ほぼ抵抗なく剥がせる
- クラスA:軽い力でスムーズに剥がせる
- クラスB:力を入れれば剥がせる
- クラスC:かなり力を入れる必要がある
- クラスD:効果なし、シール剥がしなしと同じ
シートの剥がしやすさ(力加減)で評価しました。Sが高評価、Dが最低評価です。同クラス内での順位は紹介順とし、上に紹介されている方が高評価とします。
線引が難しかったですが、AとBの間には大きな壁があり、CとDの間には超えられない壁があり、Dはほぼすべて同じ剥がしづらさです。この後紹介する動画や写真を見るとわかりますが、S・Aクラスは塗布するとカッティングシートが触れずとも破壊的に崩壊しており強力です。
【クラスS】超強力両面テープ粘着剤はがし 泡タイプ(220ml)
- メーカー:ワイエステック
- 販売先:Amazon
- 品番:不明
- 溶剤の粘度:ムース
- 放置時間:30分+食品用ラップ
- 成分・材質:酢酸ブチル, ミネラルスピリット
他の製品は放置時間は3分程度が多いですが、当製品は30分とダントツで長かったです。粘度のあるムース状のため、壁面でも垂れづらく扱いやすいと思います。他の製品に比べて時間が突出して長いため、急ぎの際は時間に注意してください。放置時間が長いため、屋外で使用するなら天気の良い日に使用したい製品です。
ラップを剥がした時点でシートが一部、ラップにつきました。すでに崩壊して粘着力が失われている事がわかりますね。スクレイパーで当てると擦るまでもなくシートは剥がれ、ほぼワンストロークで作業が終了しました。
シートを剥がし終わった後のガラス面は、この後紹介する3M(スリーエム)社の2製品(※1)と比べると、ザラつき・ガラスが綺麗になった時の””キュッキュッ感””がありませんでした。これは成分にミネラルスピリット(石油系溶剤)が含まれており、ガラス表面に油性の薄膜が残るためと考えられます。少し拭き跡が見られる(写真5枚目)ことからも、洗剤等での油膜の追加洗浄が必要になる可能性があります。気にならなければ追加洗浄しなくても良いと思います。
今回実験した製品で唯一、パッケージにカッティングシートにも使える旨が大きく書かれているだけあって凄い除去力でした。
(※1)
【クラスS】ストライプはがし8907 新車塗膜用(420ml)
- メーカー:3M(スリーエム)
- 販売先:Amazon
- 品番:8907
- 溶剤の粘度:ムース
- 放置時間:5分
- 成分・材質:メチルエチルケトン55~65%
およそ5年ほど前に購入したものを使用しました。年数が経過しているためガスの噴出が弱かったです。除去力も弱まっているだろうと予想していましたが、そのようなことはなく一瞬で剥がすことができました。
霙(みぞれ)のような見た目のムースです。時間の経過と共にジワジワと外周から乾燥して粉っぽくなっていく様子が動画でわかります。ムースの中で徐々にクシュクシュと、シートが縮れていく様子が観察できました。
放置後、スクレイパーを当てると粘着力はすでに失われており、簡単に剥がし終えることができました。3M:フィルムはがしらくらく スプレー(420ml)と比べてほとんどが粉っぽくなっている分、ボロボロとして剥がしやすいように感じました。乾燥した部分はチョークを砕いたような粉っぽさで、拭き取るとキシキシ・キュッキュッという手触りになります。塗布した際に多少飛び散りますので、マスキングしておくか、拭き取った後に水拭きすると良いかも知れません。
【クラスS】フィルムはがしらくらく スプレー(420ml)
- メーカー:3M(スリーエム)
- 販売先:Amazon
- 品番:FILM
- 溶剤の粘度:ムース
- 放置時間:2分
- 成分・材質:メチルエチルケトン60~65%
以前から剥がし方のページでも使用している製品です。ムース状の溶剤ですので角度のある壁面でも使用できます。緩めのジャムのような粘度です。
溶剤が手やテーブルに付着するとチョークを素手で触ったようにキシキシとした感触です。スプレーの勢いがよかったのか、机に結構飛び散って拭き取ると机もキシキシになりました。なるべくマスキングしてから使用するのが良いと思います。
塗布して指定時間の放置中、徐々にカッティングシートがクシュクシュ・シワシワと縮れて行く様子が観察できました。同じ3M(スリーエム)の商品3M:ストライプはがし8907と同じ経過でしたので、成分にメチルエチルケトンが入っていると、このように縮れて(縮んで?)いくようです。
放置後はスクレイパーを当てると力を入れなくても簡単に剥がすことができました。乾いた部分は3M:ストライプはがし8907と同じく粉っぽくなりますが、当製品の方がまだ粉っぽさは少ないためティッシュで素早く拭き取ることができました。
【クラスA】KATE ネイルカラーリムーバーN(230ml)
- メーカー:Kanebo(カネボウ)
- 販売先:Amazon
- 品番:不明
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:3分 ※指定なし
- 成分・材質:アセトン, 水, 酢酸ブチル, PG
ネイルの除光液です。シール剥がし専用品ではありませんが、代替品として定番アイテムですので実験しました。除光液は沢山の商品があるため、成分や粘度に特に狙いもつけずに適当な物を選びました。粘度はなく水のようにサラサラのため、壁面には使えません。
サラサラの除光液がガラスから垂れ落ちないように、シートに浸るように気をつけながら塗布しました。塗布後、3分経過時点で観察すると液が動いたのか揮発したのか、シートの一部が液に浸っていない状態でした。シートの様子も変わってないように見えます。しかしスキージーを当てると、シートがフヤケて粘着力を失ったような感じで、ほとんど抵抗を感じること無くスルスルと剥がれていきました。
他の専用品で強力に剥がすことができた製品は、放置時間が経つに従いシートの見た目に変化がありましたが、この除光液ではカッティングシートに見た目の変化はなく、スクレイパーを当てて初めて粘着力が失われている事がわかりました。
また専用品のような油っぽさも残りませんでした。注意点としては前述したとおり、粘度がなくサラサラしているため角度のある面での使用は難しいことです。今回の実験のように平面作業ができるのであれば、拭き跡も残りづらく非常に手軽で強力な製品です。
実験中は唯一のクラスSと分類していましたが、動画を見直してクラスAにしました。理由は動画で剥がしている「QW」部分で少し引っかかっているためです。前述のとおり浸っていない箇所がありましたので、ラップで覆ってしっかり浸透させれば、抵抗を感じること無く剥がせたと思います。
【クラスB】シールはがしスプレー 泡タイプ(130ml)
- メーカー:株式会社大創産業(ダイソー)
- 販売先:株式会社大創産業
- 品番:J-10 3095
- 溶剤の粘度:ムース
- 放置時間:3分
- 成分・材質:酢酸ブチル, バラフィンワックス, LPG
ダイソーで購入できるコストパフォーマンスの高い商品です。ムース(泡タイプ)のためスプレーが流れていかず、塗布したい場所に上手く定着してくれました。店舗ガラスなど液が垂れる垂直面ではムースタイプの方が良いでしょう。
放置時間が経つにつれ、泡が徐々にシュワシュワと発泡し始め、指定時間の3分が経つ頃には雪に雨が降った時のようなシャバシャバな質感になりました。
カッティングシートは泡の中でよく見えませんが、スクレイパーを当てると、既に捲れて剥がれていたのか簡単に剥がすことができました。何度もスクレイパーで擦るような事もなくスムーズです。シェービングの泡のように、最後は泡をまとめることもでき、拭き取りも簡単でしたが拭き跡が残りました。
この商品はBクラスとしましたがAクラスと比べて、スクレイパーを当てた際にやや力がいるものの、大きく性能が劣っているわけではなく、200円(+税)でこの剥がしやすさは驚きました。Aクラスはパリパリ・粉っぽくしてシートを破壊する商品が多いのに対し、この商品はウェットなままシートを破壊するようなイメージです。溶剤が揮発・乾燥し難いため、壁面にも使えそうです。
今回の検証では行っていませんが、塗布後にラップで覆って放置時間を10分程度に延ばせば、もっと浸透して剥がれやすくなったのではないかと思います。容量が少ないため、大きなデザインを剥がすには少し心もとないです。
補足
ガラス板で実験する前にアクリル板でプレ実験をした時のことです。塗布した際に、ほとんど見えない細かい泡がアクリル板全体に付着していたようで、その部分はティッシュで拭き取っても靄がかかったようにくすんだ状態になりました。アクリル板が溶剤で傷んだのかと思いましたが、何度かアルコールで拭くと、元の綺麗なアクリル板の状態に戻りました。恐らく製品に含まれるパラフィンワックスが、溶剤の揮発後に微細な固体として表面に残留したものと考えられます。
【クラスC】強力粘着剤はがし(220ml)
- メーカー:LOCTITE(ロックタイト)
- 販売先:Amazon
- 品番:DKH-220
- 溶剤の粘度:ムース
- 放置時間:5分
- 成分・材質:IPA, 酢酸ブチル,LPG
商品説明には「[フィルムステッカー・シール]最初にできるだけテープ部分をはがし、残った糊にスプレーします。テープが剥がれにくい場合には専用ヘラで角を少しずつはがし、その部分にヘラで液を押し込みながら少しずつ剥がしてください。」と使用方法が記されています。基本的には紙製のステッカーや糊残りに対して使用すべきなのでしょう。
ムース状の液をカッティングシートの上から塗布して指定どおり5分放置しました。ムースの見た目はクラスSの製品に良く似ています。
時間経過後、スクレイパーを当てていくと少し力は必要ですが、溶剤によって剥がれやすくなっていました。面積の大きいデザインを剥がす場合は少し手間取りそうに思います。
【クラスC】スプレー クリーナー30(330ml)
- メーカー:3M(スリーエム)
- 販売先:Amazon
- 品番:CLEANER30
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:3分
- 成分・材質:リモネン, LPG
商品説明には「プラスチック(スチロール樹脂、ABS樹脂など)、塗装面など材質によっては溶解、変質を起こすことがある。あらかじめ目立たない部分で確かめてから使用すること」と記述があります。カッティングシートも溶解しそうで期待が膨らみます。施工面がアクリル板などの場合はの使用は控えた方が良さそうです。
指定時間の3分間放置後、スクレイパーを当てると多少は緩くなっているものの、腕の力を使って剥がす必要がありました。
ちなみに、当商品の小さいサイズは以下の商品です。パッケージデザインが全然違いますのでご注意ください。「クリーナー30」には表記のない「強力タイプ」などとも書かれていますが、缶の下に小さく「3M™クリーナー30の小缶です」と記載があり凄く紛らわしいです。気が付かずに検証を行ってしまったため写真を掲載しておきます。
【クラスC】のり取りクリーナー(220ml)
- メーカー:3M(スリーエム)
- 販売先:Amazon
- 品番:NT200
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:5分(+食品用ラップ)
- 成分・材質:天然オレンジオイル, LPG
商品説明には「①テープはできるだけはがしておきます」「プラスチック(スチロール系樹脂)など材質によっては溶解・変質する場合があります。」と記されています。カッティングシートの上から塗布する今回の実験には向いてなさそうです。
使用方法に従って塗布後、ラップを貼って5分放置しました。粘度が低くサラサラしているため、噴射時にガラス板全体に水のように広がりました。また透明のためどこまで塗布できているのかが分かりづらかったです。
ラップは貼らなくても良いようですが、効果があると説明書きにありました。このラップで蓋をして浸透させる方法は、溶剤の揮発を抑えて溶剤とカッティングシートが密着して浸透しやすくなりますので、どのシール剥がしでも有効だと思います。
ラップをすることで溶剤の揮発を抑えて浸透を促すはずですが、力を込めてスクレイパーを当てて無理やり剥がす感じになりました。
【クラスC】シールはがし プレミアム(60ml)
- メーカー:LOCTITE(ロックタイト)
- 販売先:Amazon
- 品番:DSP-601
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:3分
- 成分・材質:炭化水素系溶剤, LPG
商品説明には「ビニール製シールは内部に浸透しにくいので、液をヘラで内側に押し込むようにしながら剥がしてください。」とあります。つまり少しくらいは浸透する(かもしれないし、しないかもしれない)ので、スクレイパーで当ててスクレイパーの物理的な引っかきと、剥がし液で剥がしていくのが正規の使用方法なのでしょう。ただ実験条件どおり今回は正規の使用方法は無視して他の製品と同じように検証しました。
スクレイパーを当てて剥がしていくと、確かに全く何もシール剥がしを使っていない時と比べてマシ(剥がしやすく)に感じました。最初の剥がす取っ掛かりは硬いのですが、一部が剥がれるとそこから液が粘着に浸透して剥がしやすくなる、という感覚です。
ただ動画を見ると後半はあまりその恩恵を受けられている様子がないため、単に剥がしやすいパーツだっただけかもしれません。この商品は商品説明にもあるとおり、浸透しずらくカッティングシートを剥がすのには向いていないと言えると思います。
【クラスD】超強力ラベルはがし 雷神(180ml)
- メーカー:AZ(エーゼット)
- 販売先:Amazon
- 品番:953
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:2分
- 成分・材質:有機溶剤(キシレン, エチルベンゼン含む)
商品説明には「ラベル(紙製)の上からスプレーし、液を浸透させるだけでラベルがはがれやすくなります。はがれにくい強粘着性ラベル対応の超強力タイプです。」「ポリスチレン材質や透明のプラスチック(CDケース等)は溶けますので使用しないでください。」「その他、塗装面や印刷面等一部の材質によっては下地を傷めることがあります。目立たない所でテストを行ってから、使用してください。」と表記されています。プラスチックを溶かすとのことで期待しましたが、あまり剥がれませんでした。
使用方法に従って塗布後、2分放置しました。
商品説明に紙製のラベルと書かれているとおり、カッティングシートには浸透しなかったようで力ずくで剥がしました。シール剥がしに関しては「すべてスクレイパーのみを使用して剥がす」という条件のため、とても手が疲れました。
【クラスD】テープはがし強力タイプ ムース状(220ml)
- メーカー:NICHIBAN(ニチバン)
- 販売先:Amazon
- 品番:TH-K220
- 溶剤の粘度:ムース
- 放置時間:2分
- 成分・材質:石油系炭化水素, イソプロピルアルコール, リモネン, 酢酸n-ブチル
商品説明には「金属製、プラスチック製のテープ(シール)は液が浸透しにくいのでテープ(シール)をはがしてから残った粘着剤にスプレーしてください。」と記述があります。そのため今回のカッティングシートを剥がさずに塗布する実験には向いていないと考えられます。動画を見てもわかるように、塗布しても粘着に対してほぼ効果がないように思います。
使用方法に従って塗布後、2分放置しました。商品説明どおり、やはりカッティングシートにも浸透がしづらかったようで、スクレイパーを当ててもカッティングシートはしっかりと貼り付いたままで全然剥がれません。
力を込めて何度もスクレイパーを当て、ロゴの一部が捲れました。一部でも捲れるとその文字はすんなりと簡単に剥がれました。端が捲れることでその部分から粘着材が滑り込んで、剥がしやすくなるのでしょうか。
粘度は低くサラッとしているので、ティッシュでの拭き取りは簡単です。拭き取っている際に、同時にティッシュに付いた液が更に他の部分の汚れも拭き取っているような効果が得られました。あくまで糊残りに対して使用する製品なのでしょう。
【クラスD】シールはがしスプレー(180ml)
- メーカー:株式会社大創産業(ダイソー)
- 販売先:株式会社大創産業
- 品番:J-10 3101
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:3分
- 成分・材質:水素化精製重質ナフサ, イソプロパノール, リモネン, LPG
100円ショップのダイソーで購入できる商品です。商品説明には「プラスチック(アクリル系、軟化塩化ビニール、スチロール)、塗装面(ニス、水性塗料、ラッカー)及び自動車(塗装部、ダッシュボード)には使用しないでください。」と下地への注意書きが記されています。結果はカッティングシートには浸透せず剥がす効果はほとんどありませんでした。
放置後、スクレイパーを当てても剥がれる感触はなく、力ずくで剥がしました。
【クラスD】無水エタノール(400ml)
- メーカー:健栄製薬株式会社
- 販売先:Amazon
- 品番:不明
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:3分 ※指定なし
- 成分・材質:エタノール99.5%以上 ※エタノールはアルコールの一種です。
粘着に対してアルコールで除去される方は多いのではないでしょうか。そのままカッティングシートに塗布すれば多少の効果があるのではないかと考えましたが、剥がすことに関しては何も効果がありませんでした。
3分間放置し、スクレイパーを当てると全く浸透しておらず、塗布する前と粘着力が変わりませんでしたので力ずくで剥がしました。糊残りに使用するのは良いと思いますが、カッティングシートの上から塗布して剥がすのは効果が全くありません。
【クラスD】シールはがし液(20ml)
- メーカー:サンノート株式会社
- 販売先:セリア
- 品番:不明
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:1分
- 成分・材質:有機溶剤
商品説明には「粘着部に本液が浸透しないシール(プラスチック製やアルミ製など)は、シール部をはがして残った粘着剤に使用してください。」と記されています。そのため、カッティングシートの上から塗布しても浸透しない商品だと考えられます。
実際に塗布して放置時間を与えたものの、スクレイパーを当てても粘着力は塗布前と変わりませんでした。剥がしていく過程で隙間から液が浸透して粘着材を溶かしてくれる、ということも感じませんでした。
【クラスD】超絶シールはがし(200ml)
- メーカー:高森コーキ
- 販売先:Amazon
- 品番:TU-110
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:3分
- 成分・材質:パラフィン系炭化水素
商品説明には「液が染み込みにくいビニール製シールなどは、シールの角部分に液を染み込ませ、角をはがします。」と明記されています。そのためカッティングシートの上から塗布する今回の実験には向いていなさそうです。
塗布・放置後、スクレイパーを当てても全然剥がれず、力ずくで剥がしました。また拭き取り後の糊残りが少し気になりました。塗布した量が少なかったのだと思いますが、動画を見ると少しずつ揮発してしいるようにも見受けられました。放置中はラップで覆うと揮発は避けられ、浸透の一助となりますが、それでもカッティングシートを剥がすには不向きだと思います。
【クラスD】シールはがし スプレータイプ(70ml)
- メーカー:株式会社モリトク
- 販売先:セリア
- 品番:MSP-73
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:3分
- 成分・材質:有機溶剤, 炭化水素, リモネン 36ml, LPG
商品説明には「粘着フックやプラスチック製のシール等は、本体やシールをはがしてから残ったのりにスプレーして除去するか、粘着面にヘラ等で液を染み込ませてめくり取ってください。」「材質によっては(プラスチックも含む)、溶剤と反応して変色・色落ち・変質。変形したり、シミになることがありますので、必ず差し支えない場所でテストをして問題がないことを確認してから使用してください。」と記されています。糊残りに対して使用する製品のようです。
3分放置後、スクレイパーを当てても全く浸透しておらず、力ずくで剥がしました。
【クラスD】ボンド シールはがしゼリー状(20g)
- メーカー:コニシ
- 販売先:Amazon
- 品番:#05340
- 溶剤の粘度:ゼリー
- 放置時間:0分
- 成分・材質:グリコール系溶剤, 界面活性剤, 水
チューブタイプの製品です。商品説明には「※プラスチックや塗装面、軟質塩ビは、傷める場合がありますので注意してご使用ください。」「シールは表面層をはがしておく。」と書かれています。そのためカッティングシートを剥がさずに塗布する今回の実験向きではない商品だと思います。また使用方法に「1~2分以内にヘラなどでこすり落とす。」と記載があるため、放置時間無しで剥がし始めました。
塗布後すぐに剥がし始めましたが浸透している様子も、剥がした部分から粘着物質が除去されている様子もありませんでした。そのため力ずくで剥がしました。
【クラスD】瞬間接着剤用はがし液(12ml)
- メーカー:株式会社大創産業(ダイソー)
- 販売先:ダイソー
- 品番:J-10 (No.4949)
- 溶剤の粘度:トロトロ
- 放置時間:4分
- 成分・材質:エタノール, アセトン, イソプロパノール, モノテルペン炭化水素, 水
瞬間接着剤用のチューブ式の製品ですので、カッティングシートを剥がす用途にマッチしませんが、折角なので実験しました。粘度は緩めです。
塗布してもスクレイパーの滑りがよくなっただけで、剥がすことに関しては効果はありませんでした。剥がし終わってからの拭き取りの際、薄っすらと拭き跡が残りました。
【クラスD】ステッカーリムーバースプレー 専用ヘラ付(100ml)
- メーカー:Holts(ホルツ)
- 販売先:Amazon
- 品番:MH809
- 溶剤の粘度:サラサラ
- 放置時間:3分
- 成分・材質:炭化水素系溶剤
商品説明には「ビニール、プラスチック製やフィルムタイプステッカーの場合は内部に浸透しにくいので、液をヘラで内側に押し込むようにしながら剥がして下さい。」と書かれています。また放置時間は2~3分と書かれているのですが、「溶剤が完全に乾燥(乾燥時間3~5分が目安)すると、跡が残る可能性があります。」とも書かれていましたので急いで作業するのがよさそうです。
実際は3分も経たずに全て揮発しましたので、追加でスプレーを吹きながら剥がす作業をしましたが、全く効果はありませんでした。
スキージーを当てても溶剤の効果は感じられず、力ずくで剥がしました。
【クラスD】テープはがしプラスチック用 ムース状(220ml)
- メーカー:NICHIBAN(ニチバン)
- 販売先:Amazon
- 品番:TH-P220
- 溶剤の粘度:ムース
- 放置時間:2分
- 成分・材質:石油系炭化水素, イソプロピルアルコール
クラスSの製品に似たムース状で放置しましたが、カッティングシートは全く剥がれませんでした。
放置後、スクレイパーを当てても剥がれず、力ずくで剥がしました。拭き跡も残ってしまいました。
【クラスD】ステッカーリムーバー ゼリー状(20ml)
- メーカー:Holts(ホルツ)
- 販売先:Amazon
- 品番:MH807
- 溶剤の粘度:ゼリー
- 放置時間:3分
- 成分・材質:有機溶剤系
商品説明には「[使用できない物](中略)塩ビ、レザー面」「プラスチックやフィルムタイプのステッカー当は液がしみ込みにくいので、まずは表面層をはぎ取り、その後で本剤をご使用ください。塗装面を傷める場合があるので、無理にはがしたりしないでください。※ドライヤーでステッカーを温めると接着剤が柔らかくなりはがしやすくなります。」と記されており、カッティングシートには適しておらず、更にカッティングシートを剥がす前に上から塗布しても浸透しないと考えられます。
予想通り実際に作業してみると、カッティングシートは全く剥がれませんでした。
商品は水糊のようなゼリーのような質感で、スプレーではなくチューブです。商品説明どおり浸透している様子はなく、全く剥がしやすくならず、力任せにスクレイパーで剥がしました。
【クラスD】atrix ビューティーチャージ 無香料(80g)
- メーカー:ニベア花王株式会社
- 販売先:Amazon
- 品番:No.82030
- 溶剤の粘度:クリーム
- 放置時間:3分 ※指定なし
- 成分・材質:なし
極一般的なハンドクリームです。油性であるハンドクリームを粘着に対して使用するのは生活の知恵ということで、カッティングシートにも効果があるか実験項目に含めました。
しかし浸透せず、全く効果はありませんでした。
放置後、スクレイパーを当てても微動だにせず、力ずくで剥がしました。
シール剥がしの溶剤と施工面の相性
各シール剥がしによって使用に適さない施工面もあります。商品説明に書かれているため、使用する施工面が適合しているか必ずチェックしてください。以下の写真は別の実験でアクリル版に貼ったカッティングシートを剥がそうとシール剥がしを塗布したところ、アクリル板が溶けてしまったものです。ロゴの形にアクリル板が溶けています。両方とも元々は透明のアクリル板でしたが、溶けて白くマットな質感になってしまいました。
アクリルを溶かす恐れのある溶剤: メチルエチルケトン、アセトン、キシレン、トルエン、酢酸ブチルなど
当記事で紹介した製品にも含まれているものがあります。強さと素材ダメージはトレードオフで、照合すると今回高評価だったシール剥がしにも含まれています。
シール剥がしで剥がした後の注意
本文中にも紹介していますが、シール剥がしでカッティングシートを剥がすと、シール剥がしの跡か拭き跡のようなムラが残ることがあります。シール剥がしは糊を溶かして、ティッシュに移動させている(拭き取っている)ため、完全に拭き取れなかった糊(既に粘着はない)の跡や、シール剥がしの成分が残ってしまった状態です。本文中はどちらか判断がつかなかったため、「拭き跡」で表記を統一しています。
拭き跡を撮影で綺麗なガラス板が必要だったため、アルコールでゴシゴシと拭いたのですが、なかなか取れず、以下の手順で完全に除去しました。
- キッチンペーパーで乾拭きして油分を取る ※これはしなくても良かったかも
- 台所用洗剤(中性洗剤)で水洗いする
- キッチンペーパーで水分を拭き取る
- 念のためアルコールで完全に油分を取る
シール剥がしを使用した後の施工面の掃除が必要になる事があると、頭の片隅に置いておくと良いでしょう。とはいえ、今回は撮影で完璧に綺麗な状態のガラスが必要だっただけで、通常はそこまで気になる跡では無いと思います。
番外編
ここまで紹介した製品は『カッティングシートの上から塗布して剥がせるか』という条件でしたが、番外編ではシールを剥がした際の糊残りに対して有効そうな製品や、特殊な道具を揃えて評価を行いました。
実験条件
- カッティングシートを手で剥がして糊残りを生じさせる
- 糊残りに対して商品を使う
ガラスに貼られたカッティングシートを手で剥がし、その際に生じた糊残りを如何に綺麗に剥がすかをテーマに実験を行いました。ガラス・貼り付けるカッティングシートのデザインはここまで使用した物と同じです。
評価方法
クラスは先程と同じでSが高評価、Dが最低評価です。
【クラスS】シールのベタベタ消しゴム(W22xD11xH35mm)
- メーカー:株式会社シード
- 販売先:セリア
- 品番:H-K-SHB-S1
- 溶剤の粘度:なし
- 放置時間:なし
- 成分・材質:PVC, 合成ゴム, 充填材
シールのベタベタ(糊残り)専用の消しゴムです。糊残りに対して擦ると簡単に除去することができました。
カッティングシートの上から擦るだけではカッティングシートを剥がすことはできませんでした。手でカッティングシートを剥がしてから糊残りに対して検証します。
後述する『MONO』消しゴムで問題だった消しカスの散らばりと比べ、消しカスが一塊にまとまるため散らばらず施工面の掃除が簡単でした。『MONO』消しゴムに比べるとやや固めで消しゴムが撓みにくいため、ガラス面でも擦りやすかったです。
また『MONO』で擦るとカッティングシート表面の光沢が無くなってしまいましたが、当製品ではシートを擦っても光沢や凹凸は無くなりませんでした。
【クラスS】消しール(ソフト)
- メーカー:SK11
- 販売先:Amazon
- 品番:SLT-1S
- 溶剤の粘度:なし
- 放置時間:なし
- 成分・材質:不明
※当製品は2022年11月頃に撮影しました。
当製品は電動インパクトに付けて使用する製品です。回転数が2,000~4,000min-1必要で、手持ちの電動ドライバーは1,000min-1までのため、わざわざこのために電動インパクトを購入しました。アクリル板(透明)、アクリル板(黒)、MDF、木材(無塗装)、木材(塗装)に貼られた対して検証しましたので、ガラス板ではないことご了承ください。
アクリル板(透明) 0:14~:あっという間に剥がすことができましたが、アクリル板の表面に消しールの跡が入ってしまいました。この跡は表面を研磨された傷のため取れません。
アクリル板(黒) 1:17~: こちらは最高回転数1,000min-1でスペックが足りていないことに気がついていない時期に電動ドライバー(赤色)に取り付けて検証しています。スペックは足りていないはずですが、電動インパクト(緑色)同様に剥がすことができましたが、こちらもアクリル板の表面に研磨された傷が入りました。
MDF 2:55~:MDFは柔らかいはずなので傷が付きそうですが、傷はほぼ付きませんでした。
スチール 3:41~:スチールとの摩擦抵抗が大きいためか、反発が強くて当てるのが大変でした。施工面にうっすらと擦り跡のようなものが残りました。指でこすると伸びるようにも見え、削れた消しゴム粉が付着しているのか、表面が物理的に擦られた跡なのかは判断できませんでした。
木材(無塗装) 4:38~:簡単に剥がせましたがアクリル板同様に跡が残りました。
木材(塗装) 5:13~:塗装が禿げてしまいました。使用は避けるべきでしょう。
電動インパクトの先端に付けて使用します。消しゴムのような質感で、高速で消しゴムを擦っているような状態になります。
それぞれの素材でスチール以外の柔らかい素材は跡が残ってしまう結果となりました。簡単に剥がせるため、面積のある大きなサイズのものにはかなり有効な手段だと思いますが、金属などの硬度のある素材にのみ使用した方が良いと思います。
【クラスA】粘着布テープ(50mmx10m)
- メーカー:株式会社大創産業(ダイソー)
- 販売先:ダイソー
- 品番:7359
- 溶剤の粘度:なし
- 放置時間:なし
- 成分・材質:ゴム系粘着剤, ポリエチレン, 合織布
一般的な布ガムテープです。皆さんも一度は糊残りに対してペタペタとやったことがあるのではないでしょうか。
粘着力が強いため、もしかしたら一部分だけでもカッティングシートを剥がせるかもしれないと考えていましたが、全く微動だにしませんでした。手でカッティングシートを剥がしてから糊残りに対して検証します。
セロテープやマスキングテープと比べると粘着力が強いため、比較的簡単に糊残りは除去することができました。しかしペタペタとして何回目で剥がれるかは運の要素が強く、作業の終わりに目星がつきませんので、大きい面積に対して行うのは現実的ではありません。
【クラスB】MONO(W23xD11xH50mm)
- メーカー:トンボ
- 販売先:Amazon
- 品番:PE-04A
- 溶剤の粘度:なし
- 放置時間:なし
- 成分・材質:不明
一般的な消しゴムです。カッティングシートの上から擦っても、予想通りシートは剥がれませんでしたが、糊残りは剥がすことができました。
シートの表面を擦った事でシート表面の光沢がなくなり、表面のテクスチャがマットな質感に変化しました。消しゴムの摩擦によって表面に僅かにあった凹凸が極微細に削られて失われたためと考えられます。
消しゴムで擦ってもシートは全く微動だにしないため、糊残りの評価をするためにシートを手で剥がしました。手でカッティングシートを剥がしてから糊残りに対して検証します。
手で剥がした後にガラス面に残った少しの糊残りに対して消しゴムを擦ると、紙に書かれた鉛筆の文字を消すのとは違う、非常に細かい消しカスが出てきました。ほとんどまとまらない砂のような消しカスです。
糊残り自体は綺麗に取り除くことができました。消しカスを手で払うのですが、消しカスが非常に細かく、払っても払ってもガラス面に残っているようなサラサラとした感触があります。また手の指紋にも微細な消しカスがついてしまった感覚があり、全ての消しカスを取り除けた、と言い切れない微妙な感じまでしか払うことができませんでした。
【クラスC】セロテープ(不明)
- メーカー:NICHIBAN(ニチバン)
- 販売先:Amazon
- 品番:不明
- 溶剤の粘度:なし
- 放置時間:なし
- 成分・材質:不明
セロテープです。粘着力不足で布ガムテープのようには、なかなか剥がれませんでした。糊残りの除去にはテープ側の粘着力が強い必要があるようです。
カッティングシートの上からセロテープをペタペタとしても全く剥がれませんでした。糊残りの評価をするためにシートを手で剥がしました。
時間がかかりましたが除去し終えることができました。手軽ですがテープ自体が小さいため、作業面積が大きい場合はオススメできません。
【クラスD】スコッチ マスキングテープ 建築塗装用 243J Plus(30mmx18m)
- メーカー:3M(スリーエム)
- 販売先:Amazon
- 品番:243JDIY-30
- 溶剤の粘度:なし
- 放置時間:なし
- 成分・材質:不明
カッティングシートに対して、マスキングテープでペタペタと剥がせるか試しましたがビクともしませんでした。手でカッティングシートを剥がし、その糊残りをマスキングテープで剥がせるか検証しました。
かなりペタペタしましたが、中々取れず微妙な結果になりました。全て除去できたような、できていないような不安な感じです。
マスキングテープなので当然ですが粘着力が弱いのが致命的で、何度かペタペタするとすぐに粘着を失ってしまい、なかなか糊残りを除去することができませんでした。シール剥がしのようにケミカルに剥がすわけではなく、粘着力だけで除去する必要があるため、弱粘着のマスキングテープには不向きな作業でした。もっとペタペタし続ければ除去できるとは思いますが、かなり時間がかかります。
まとめ
力加減を評価するため、「スクレイパーだけで剥がす」という縛りで1日(+撮り忘れ1,2点を後日)で実験を行いました。その代償として剥がし辛いクラスC~Dの製品の撮影では指が痛かったです(上の写真)。
今回、かなりの点数の製品をテストしましたが、手で剥がしてから糊残りが気になれば消しゴムかガムテープで除去する、というのが作業の速さ・糊残りの少なさ・施工面へのダメージの少なさ・安さ(手軽さ)で最もバランスが取れていると感じました。 シール剥がしを使用すると拭き跡が残って更にそれを除去する必要があったり、施工面にダメージを与える製品があるため、「手で剥がせない」「手で剥がすのが大きくてキツい」場面になってからの使用検討で良いのではないかと思います。
最初からシール剥がしを使用した方が良い場面としては、文章などのパーツが多いデザインです。1文字ずつ剥がす必要があり時間が掛かってしまうのと、爪と指への負担もかかります。こういった場合は使用する製品の注意書きを良く読み、施工面にダメージを与えないか確認してから使用すると良いでしょう。逆に一気に連ねて剥がすことができるようなデザインは爪で剥がしてから消しゴムで糊残りを除去し、気になるようであればシール剥がしを使用するのが手軽で良いと思います。
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