トレース代の価格例と作業内容

要約
トレースとは画像データを手作業でなぞってカット用データを作ることです。

トレースとは「敷き写し」をする意味です。カッティングシート製作においてのトレースとは、画像データの輪郭(アウトライン)をデザインアプリを使用してなぞり、ベクターデータ化(ai形式)する事をいいます。クワックワークスではAdobe Illustratorを使用してトレースします。トレースを行うのは、カッティングシートを製作する時のカット用データがベクターデータであることが必須だからです。

ai形式のメリットは?

少し専門的な話になりますが、一般的なjpg形式やpng形式の画像データはラスターデータと呼ばれ、拡大縮小すると画像が劣化します。しかしai形式をはじめとしたベクターデータの場合、線が拡大縮小しても劣化しないため様々な大きさの媒体に流用ができるメリットがあります。このような特徴からデザイン業界の標準的なデータとして使用されています。これはベクターデータが点や線、多角形などの図形を数式で表現したデジタルデータだからです。マシンでカットする際はこの数値から正確な座標を読み込んでカットします。


トレース代が必要になるデータ


トレース代の価格例

画像データでの入稿をした際にかかるトレース代の価格例です。例は黒色の部分がシートとして残るものとお考えください。製作サイズ(仕上がりのサイズ)は関係なく、デザインの細かさや求められる精度で価格が決定されます。そのため手書き風の揺れた線のデザインより、直線的なデザインの方がトレース代は安くなります。以下、税込表示。

1デザインあたり
最低1,100円から以降550円刻み。最大でも16,500円程度。

余程細かいデザインでない限り、5,500円を超えることは殆どありません。

簡単な図形

トレース料金例:簡単な図形
価格: 1,100円

簡単なイラストやロゴ

トレース料金例:魚のアイコン
価格: 1,550円

文字デザイン

トレース料金例:taro
価格: 2,200円(※1)

QRコード

トレース料金例:QRコード
価格: 2,200円(※2)

会社名(丸ゴシック)

トレース料金例:会社名
価格: 3,300円(※1)

会社ロゴ

トレース料金例:会社ロゴ
価格: 3,300円

ロゴとメニュー

トレース料金例:ディスプレイ
価格: 4,400円

緻密なイラスト

トレース料金例:緻密なイラスト
価格: 11,000円

長い文章

トレース料金例:文章
価格: 13,200円
  • ※1:文字中心のデザインは文字入力でデザインを考えるの方が安く綺麗に仕上げることができますが、ご希望のフォントの取り扱いがあるかは事前に使用できるフォント一覧ご確認ください。また角張ったゴシック体よりも先端が丸くなっている丸ゴシックや明朝体の方が装飾されている分、複雑な形状で時間がかかるため価格は高くなります。
  • ※2:QRコードは必ず2,000円。QRコード以外にもデザインが含まれる場合はQRコードの2,000円+その他の部分のトレース代。関連記事:QRコードはカッティングシートで作れますか?

仕上がりのクオリティ

ご注文いただいて実際に入稿されたデータ、弊社でトレースしたデータは、製作実績に掲載していますので、各記事からトレース精度を確認いただけます。

製作実績:画像データでの入稿 & 注文データの掲載がある記事一覧


トレースした完成データ

他社ではトレースした完成データ(ai形式のベクターデータ)を、お客様に返還せず店舗側でのみ管理している事があります。クワックワークスでは代金をいただいて完成データを作っているため、データはお客様のものであるという認識のもと、完成データはお客さまもダウンロードでき、再注文や他の印刷物などを作成する際にご利用いただけます。

再注文の際にトレース代やデータ作成費が掛からないようにする


補足1:データの比較

ラスターデータ(jpgなどの一般的な画像データ)
ラスターデータ(jpgなどの一般的な画像データ)
ベクターデータ
ベクターデータ(Illustratorのデータ)
ラスターデータとベクターデータ
ラスターデータとベクターデータの比較
ラスターデータとベクターデータ 拡大
ラスターデータとベクターデータの比較(拡大)

並べて比較するとベクターデータは拡大しても劣化していないことがわかります。一方のラスターデータは拡大するとドットが荒くなっていきます。前項の通りトレースしたデータはお客様にもダウンロードができますので、保存しておけば何か名刺やチラシなどを作成する際に、データの劣化を考えずにご利用いただけます。

完成データをダウンロードする方法


補足2:作業

オートトレース機能

Adobe Illustratorではオートトレースという自動でベクターデータに変換する機能がありますが、2025年時点で元のデザインを忠実に再現できているとは言えません。オートトレース時の調整次第ではある程度までは綺麗にできることもありますが、どうしても末端処理が甘くなり、カッティングシートとして作成した際に全体の印象が変わります。

Adobe Illustratorのオートトレース機能
Illustratorのオートトレース機能の画面
手作業でトレースをしたデータ
画像データを手作業でトレースしてベクターデータ化した
元画像に手作業のトレース結果を重ねた
手作業のトレースは青線、元画像はグレー塗り
オートトレース
画像データをオートトレースしてベクターデータ化した
元画像にオートトレース結果を重ねた
オートトレースは青線、元画像はグレー塗り

オートトレースをしてから手動で微調整をしても、アンカーポイントの位置が変な場所に打たれていたりと、美しい仕上がりに調整するのは逆に時間がかかる事が多いです。

これらの理由からクワックワークスではほぼ100%手作業でなぞる方法で全て自社でトレースを行っています。完全自動化が難しい作業で仕上がりに直結するため、作業者の習熟度はもちろん、作業時間が必要になります。そのためトレースが必要なデータは、Illustratorデータでの入稿と比べ、+1営業日以上加算としています。