転写シート(アプリケーションシート)とはなんですか?
- 更新:
- 2013/03/26
- 最終更新日:
- 2025/09/04
転写シートとは、カッティングシートのデザイン部分を1枚ものとして台紙(剥離紙)から剥がして希望の場所に貼り移すための弱粘着のシートです。アプリケーションシートやリタックシートなどとも呼ばれますが、転写シートと同じ意味です。以下、当記事では【転写シート】で表記を統一します。
クワックワークスで使用している転写シートは和紙製です。デザインをカットせずに切り売りで購入された場合のみ、透明フィルムタイプの転写シートで納品しています。これらの違いや理由についても後述しますが、以降の項目は自作される方で転写シートという素材について詳しく知りたい方向けの内容となっております。
カッティングシートを貼る際は転写シートが必要ですが、カッティングシートの構造についてまだわからない点がある方は、まずは以下のページをご覧ください。
- カッティングシートとは > 構造
- カッティングシートと印刷ステッカーの違い
- 納品される内容
- 【自作する方向け】カッティングシートを自作してみよう!
裏紙(剥離紙)の有無
ガムテープのように直巻になったタイプと、裏紙がついたタイプの2種類があります。個人使用の場合は、裏紙が付いていて小さいサイズに切り分けてから転写シートの貼り付け作業ができる透明フィルムがおすすめです。裏紙のない和紙タイプの場合は、カッティングシートのサイズ別に数本用意しておく必要があり、ピッタリサイズで使うことができませんので、保管場所を確保できる業者向けの製品です。
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値段=直巻の方が安価 直巻の転写シートは裏紙がついていない分お安くなります。
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長さ=直巻の方が長い 裏紙付は10m巻から、直巻は50m巻もしくは100m巻 1本の長さは直巻の方が長いですが、裏紙付と違い直巻は小分けができません。 転写シートは一般的な寿命が約1年とされています。 このため、直巻が板金屋さんや塗装屋さん看板屋さんなど量を多く必要とするところ向けとなります。
その場でカット&施工する場合・大量に使用する場合=直巻
がおすすめです。
使用方法
お届けのカッティングステッカーは転写シートが表面についてますので、文字などデザインがばらばらにならずに一枚もので一度の施工で貼り付けることが可能です。弊社で作成している商品は、四方に約1cmの余白を含めた状態で作成してますので、カッティングステッカーを剥離紙から剥がして、 余白部分を持ち、希望の場所に施工して、しっかりと圧着したら最後に転写シートのみ剥がして完成です。
アプリケーションシートの材質
材質は透明のフィルム状の物、透明のフィルム状でエンボス加工(少し凸凹している)の物、和紙タイプの物、更にそこから強粘着・中粘着・弱粘着と種類がとても豊富にあります。各カッティングステッカーのシートメーカーが開発しているものや、販売店がオリジナル製品として販売しているシートもよく見かけますが、透明フィルム(エンボス加工ではない)か和紙タイプが主流です。
透明フィルムタイプのアプリケーションシートの特徴

お客様自身で趣味で製作されている方は、この透明フィルムタイプのアプリケーションシートがお薦めです。またホームセンターなどでもよく売られているので、入手しやすいかと思います。
理由としましては、和紙タイプのものは、台紙(剥離紙)がなくそのままの状態で巻きつけられた状態で販売されています(ガムテープのような状態)。一方、透明フィルムタイプはというと、台紙(剥離紙)がほぼ必ずついた状態で巻きつけられて販売されているからです。和紙タイプのように、台紙がないとロールから直接剥がしつつ、カッティングステッカーにもシワがいかないように貼り付けなければならないため、いきなりチャレンジするのは少しハードルが高いように思いますし、またロール販売になるので少量で売っていません。 この台紙(剥離紙)が有るか無いかで、結構作業のしやすさに差がでてくるのです。
他に特徴としては和紙タイプと異なり、貼る際に施工面が完全に透けて見えるので、位置決めがかなりしやすいです。また粘着力も和紙タイプに比べると、強く貼り付くものが多いのでカッティングステッカーがアプリケーションシート側に貼り付きやすく失敗しにくいです。一方で伸縮性が殆どないため、カッティングステッカーの台紙の湿気や温度による僅かな歪みなどに対応しにくく、梱包する際に丸めると、台紙(剥離紙)とアプリケーションシートの間に空気が入りやすいという面もあります。この現象をトンネルといい、一度トンネルができると抜いても抜いても空気が入り、施工がしにくい状態になります。

上の図では透明フィルムタイプのアプリケーションシートを貼り、丸めて1日置いたものを再度広げた状態です。僅かな隙間から空気が入り込んで、谷間ができ、カッティングステッカーが台紙から浮いてしまっているのがわかります。なお丸めずに平らな状態で置いて完璧にアプリケーションシートを貼ったとしても、剥離紙は剥がすためのコーティングがされているため、台紙(剥離紙)には完全に密着せず必ずこのような現象が起こります。
アプリケーションシートを貼ってすぐに施工するのであれば、透明フィルムタイプを使用して問題はないのですが、弊社の製品の場合、郵送で納品しておりますので、トンネルを避けるため和紙タイプのアプリケーションシートを採用しています。
和紙のアプリケーションシート(当店使用)の特徴

和紙タイプについては、透明タイプの様に剥離紙がなくロールのみの販売ばかりです。つまりこのアプリケーションシートを貼る作業に慣れていないと、大きいサイズのものは位置合わせが難しです。また台紙(剥離紙)が無いため、アプリケーションシートの切れ端を保存しにくいので、少量を作成する際にはあまりエコだとは言えません。
しかし透明フィルムタイプに比べ、和紙は伸縮性がありますので空気が入りにくいです。和紙タイプは乳白色の色がついているため、透明のアプリケーションシートに比べると、やや視認性が劣りますが、フリーハンドではなく、テープでしっかり位置決めをしてから施工作業すれば全く問題ありません。また和紙タイプは稀に和紙独特の香りする場合があります。アプリケーションシート自体が一時的な使用のものなので、気にするほどではないと思います。
貼り方のページに写真付きで解説していますので、合わせてご覧いただければと思います。

透明フィルムタイプのアプリケーションシート(エンボス加工)の特徴
弊社ではあいにく利用する機会がないため、写真がありません(すみません)。 エンボス加工の物については、通常の透明フィルムタイプよりは空気が入りにくいです。またエンボス加工のシートはあまり作られておらず、限られたメーカーのものしか無ありません。また他のアプリケーションシートに比べますと割高なものが多いので、余程こだわりがある場合でない限りお薦めしません。
まとめ
このようにアプリケーションシートを選ぶのも結構大変です。 クワックワークスでご注文いただいた製品は、納品後すぐに貼れる状態ですので楽ちんですが、1からご自身で選ぶのも面白いかもしれませんね。ご注文に関するお問い合わせがございましたら、お気軽にお問い合わせください。