カッティングプロッターとは?手軽に使えるDIYの楽しい相棒!
コンピューターのデータから自分の好きな形にカッティングシートが制作できる「プロッター」。 自分の考えたデザインがそのまま形になるのは非常に嬉しいですよね。 しかし「プロッター」というものに馴染みのない人も多いのが現実でしょう…。 この記事では、「カッティングシートに興味があり、ワンランク上の仕上がりを求めている!」という人や「プロッターの購入を検討しているけれども、どのような機材にしたらいいか迷っている…」という人に向けて、プロッターの基礎知識をお教えします!
プロッターとは
プロッターとはベクターイメージを印刷するコンピューターの出力機器のことです。 「ベクターデータ」とは、図を拡大しても図形の輪郭などを損なわない点が特徴で、正確な線を描けます。プロッターはその鮮明なベクターデータを使用し出力する機械であるため、出力物も物の大きさに関わらず、クリアな画像状態で印刷できるのです。
また種類は大きく分けて2種類があります。
- 印刷用のプロッター
- カッティングプロッター
印刷用のプロッターは、業務用として使用されるケースが多く、大判ポスターやのぼりなどを作成できます。A1サイズも印刷することが可能で、鮮明な出力できる点が特徴です。 カッティングプロッターは名前の通り、従来のプロッターの出力がペンである代わりに、カッターを搭載し、希望のデザインに切れるプロッターです。こちらも業務用として扱われることが多く、最近では小型機を個人で購入しオリジナルステッカーを作る人も増えてきています。
プロッターを使ってできること
描画
プロッター・カッティングプロッター共に、ベクターデータをもとに正確な線を描けるため、プリンターよりも仕上がりが綺麗なことが特徴です。
大判サイズも印刷・カット可能
機器の対応サイズによって異なりますが、A1サイズやそれ以上の出力ができる機器もあるため、デザインの幅が広がります。
プロッターの歴史
プロッターがどのような進化を遂げてきたか、ご紹介します。
1960年代の機械は、制御方法が異なり、動きが遅く紙を広げるスペースが必要でした。当初はペンの種類が1種類しか設定できなかったため、単色の印刷のみ。まだまだ改良の余地がある状態だったのです。 1980年代になっても描画速度は遅く、印刷するのに時間が必要でした。 しかしペンは複数設置可能となり、多色描画が可能になった時代です。 1990年代になるとインクジェットプリンターが登場します。 プロッターよりもインクジェットプリンターが主流となり、一時プロッターの人気は低迷しました。 そして2000年代、クラウドファウンディングでプロッター開発の出資者を募る企業が登場しました。今まで大きくて高価であったプロッターが、安価で小型化することに成功し、レーザー刻印やレーザーカッター機能のついたプロッターが発売されるようになったのです。
現在では用途に合わせてプロッターを選べる時代です。 しかし発売初期はできないことも多く、その当時と比べると大きく進化したことがわかります。
カッティングプロッターの使い方
データを入力
専用ソフトにて切り取り用のデータを入力します。フォントや文字間・横幅・高さなどの調整が可能です。文字だけでなく、絵でも対応可能です。絵の場合、細かい作業が多く加工にかなりの時間がかかるため、あらかじめ「イラストレーター」で元データを編集しておくことをお勧めします。
カッティング
出力情報のセットが完了したらカッティングに移ります。 PCと機械をリンクさせ、切り取りを開始させます。
カスをとる
プロッターは線に合わせてカットするだけなので、要らない部分を剥がす作業は手作業で行います。この作業をカストリといいます。
アプリケーションシートを貼る
アプリケーションシートとは、転写用の透明なシートです(半透明な和紙タイプもあります)。 先ほど出来上がったシートの上から貼れば完成です!
プロッターのメリット
正確で素早く、大量に作成できる
機械で作ると手作業よりも正確で素早く完成するという点が特徴です。 またデータが決まれば、同じ物を大量に作ることも可能であり、機械の精度によっては表現の幅も広がります。手作業にしか表現できない部分もありますが自分のイメージを正確に素早く形にし、かつ大量生産が可能であるのはプロッターの強みです。
使用用途によってさまざまな種類が選べる
個人で作る場合と仕事で作る場合では作るサイズや規模が異なります。 プロッターは家庭用から業務用まで幅広いラインナップがあるため、自分の要望に合わせて機械を選べます。それだけ機械の種類が豊富という点はメリットと言えるでしょう。
プロッターのデメリット
細かすぎるデザインは不向き
家庭用のプロッターの場合はプロユースのプロッターに比べると精度は落ちるため、細い線で細かな表現をしたい場合は、プロッターでは対応しきれないことがあります。 細い線は機械が読み込めずにカットされないケースが多く、結局手作業が必要になります。 プロッターを使用する際には細かすぎるデザインを避けるようにしましょう。
機材自体がわりと高額なものも。
A1サイズを制作する場合は大型機械が必要になり、購入の際に何十万も必要になります。 またインクや用紙などその他備品も維持費も必要であるため、初期費用がかかることを押さえておきましょう。小型プロッターであれば数万円であるため、個人で購入を検討している方は小型機をお勧めします。
オススメの機器をご紹介!
大型?小型?プロッターの選び方について
プロッターの選び方には3つのポイントがあります。
- 出力最大サイズ
- 必要な機能
- 希望の接続方法
1. 出力最大サイズ
ご自身が想定する出力最大サイズを考えて選びましょう。業務用として使用するのか、個人で使用するのかによっても、おおよそのサイズが決まるはずです。また現在ではコンパクトなプロッターも多数ありますので、初心者の方はまずはお手頃なサイズのものからはじめてみるといいでしょう。
2. 必要な機能
印刷・カットのスピード重視なのか、または特殊なソフトと連携できるタイプがいいのか、など必要な機能を押さえましょう。家電量販店では取り扱いの少ない店舗が多いため、インターネットで情報収集してから実店舗に行った方がスムーズです。
3. 希望の接続方法
PCとの接続は基本有線ですが一部無線LANに対応している機器もあります。有線の場合PCの設置エリアが限られてしまうため、設置部屋の関係で無線の方がいい場合は機器が限定されますのでご注意ください。
まとめ
ものを作るのにあたって、機材は非常に重要になってきます。 手作りのステッカーに磨きをかけたい人や、カッティングシートを使用してワンランク上のDIYをしてみたいと考えている方は、ぜひ「プロッター」を活用してみてはいかがでしょうか? また、購入を迷われている方がいらっしゃいましたら、「今後どんなものを作りたいか」を考え、自分にぴったりのプロッターを見つけられることを願っております! プロッターを使って、より良いDIYライフを送りましょう!
装飾用シートの代表的製品である「カッティングシート®」は中川ケミカルが商標登録していますが、今では一般的名称として浸透しています。中川ケミカル社の公式サイトより引用
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上記の解説から、この記事ではカッティングシート ≒ カッティングシートや一般的な装飾シート(リメイクシートなど含む)として解釈し執筆しています。